コラムファイル

第94回
「神経締め」

みなさんの魚釣りにおける「醍醐味」って何ですか?

魚のヒキ、食べる事、自然の中での開放感etc…
何処に重きを置くかは十人十色、人それぞれだと思いますが、今回のコラムはその中でも「食べる事」に着目した内容となります。

あっ、ご挨拶遅れました、久しぶりのコラム執筆となりました、Turi@Navi編集部の面舵いっぱいイッパイです! 

さて秋も段々と深まり、いよいよ釣り師にとっての好期の到来となりますね!
冒頭にも書きましたが、今回のテーマはズバリ「食」。
自分で釣った魚を、新鮮なうちに自分で食す。自分で釣ったからこそ、その味はまた格別!これは釣り人にしか味わえない、特権だと思います!

私はTuri@Naviに入社するまでは、まったくと言っていいほど釣りに触れる機会がなかったので、基本的に魚や刺身はスーパーで購入したものしか、口にしたことがありませんでした。こんな経緯もあり、初めて自分で釣った魚を自分で口にした時は、その味に非常に感動した事を今でも覚えております。


毎度の事、前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

Turi@Navi情報拠点でもある、熊本県の「筑後屋」さん。
船長さんとの取材時によく耳にする言葉が、タイトルにもなっている「神経締め」です!

筑後屋の船長さんは、釣れたマダイは全て神経締めの処理を施してくれます。
その神経締めされたマダイの味は、これまた一味も二味も違うそうで、その魅力にとりつかれたお客さんが多いそうなんです!

釣った魚を如何にして新鮮な状態で持ち帰るか。最も重要となってくるのが、締め方だと思います。包丁やナイフを握る事に慣れていない私は、釣った魚を締める作業が正直苦手ですf^_^;
普段釣った魚を締める際は、エラの部分切って血抜きをし、そのまま頭部の方へのナイフを入れます。ただみなさんのようにスムーズにはいかず、飛び跳ねる魚にアタフタアタフタ…。終いには、ナイフを入れる方向が定まらずに、変な風に魚を傷つけてしまうのです(涙)

不器用なのは生まれ持った才能(?)なので諦めるしかないのですが、これでは私に釣られた魚達、そしてその魚を食する事になる人達に、申し訳がたちません!

そこで今季は、一念発起しようと決意いたしました!

私、面舵いっぱいイッパイは、釣ったクロの神経締めにチャレンジしたいと思います!

…と、声高らかに宣言したのは良いのですが、この「神経締め」。一筋縄ではいきません。そもそも「神経締め」とは、頭部から尾の部分まで通っている神経束に細い棒状のものを差し込んで魚を締める方法なのですが、この神経束を見つけるのが非常に困難。

「どうしたら神経締めが上達するのですか?」とお聞きした所、
「慣れですよ、慣れ!場数をこなさないと上手くなりませんよ!」
と、ごもっともなアドバイスが返ってきました…(笑)

船長さんや日頃魚を扱っている方は、魚の傷つけないように鼻の穴から見事に一刺しで神経締めを行うのですが、私のような素人では、そんな匠の技の習得はほぼ不可能。
意気込んだにも関わらず、始まる前に挫折か…と思ったそのとき、船長さんから助け舟が!

「面舵さん!何もお客さんに出す魚じゃないんですから、キレイに処理する必要はありませんよ。初心者の方でも簡単に神経締めができる方法があるんです!神経束は尾っぽまで通っているわけですから、尾っぽを切ってそこから針金を差し込めば簡単にできますよ!」

そ、そうか!その手があったんですね!
魚の尾っぽを切ると、真ん中を通っている骨の上に白い点状の神経束が見えるそうなんです。この方法だと、慣れてなくても一発で神経束の場所が分かりますので、なんとかヤレそうな気がしてきました!

で、神経締めに使う道具ですが、主に針金を使います。
釣具店によっては神経締め用の針金が販売してますし、金物屋などで売っている針金でも十分に使えるそうなので、簡単に手に入ります。

ただ針金も色々と種類があるので、どのような物が適しているのかお聞きした所、「ステンレス製の硬い針金」が良いとの事。
ちょっとやそっとじゃ変形しない硬さでないと、すぐ使い物にならなくなるそうです。

また針金の長さや太さも重要。
頭部から尾まで神経束が通っているわけですから、魚より針金が短かったら話になりません。また神経束の太さも、魚の大きさによって様々。ベストなのは、その神経束の太さに合わせて、針金を使い分けることだそうです。

ちなみに筑後屋の船長さんは、マダイ用の針金を0.5mm〜2.5mmの太さの間で、計5本も持っているそうです(500gほどの大きさで1mm、2-3kg級は2mmを使うとの事)!
また上級者の方ともなると、針金の表面をヤスリなどで削って、表面をデコボコにすることによって神経束を取り出しやすくする、なんて裏技も駆使するみたいです!


ここまできたら、あとは実戦あるのみ!

「おいおい神経締めにチャレンジするのは良いけど、肝心なクロを釣らなきゃね〜」という言葉が、何処からともなく聞こえてきましたが、クロシーズンもいよいよこれからが本番なので、なんとかなるでしょう(笑)
クロが釣れて神経締めにチャレンジする機会がありましたら、再度この場でご報告したいと思います!
あとTuri@Naviユーザーのみなさんなら、神経締めなんて朝飯前さ!なんて方も多いかと思いますので、良かったらアドバイスもお願いしますm(__)m




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